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秋田の手しごと、暮らしごと

本サイトは、2012年9月に秋田公立美術工芸短期大学大学開放センター「アトリエももさだ」で行なわれた市民向けイベント「ももさだ祭」の企画として、あきた産業デザイン支援センターが主催した「秋田の手しごと、暮らしごと」展を元に作成しております。

煖エ睦 夢積工房

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夢みる積み木

インタビュー
仕事道具

持ち味は、オリジナルの絵柄

美術工芸短大を修了後、岩手・八幡平市で漆芸研修を終え、昨年秋田に帰省した煖エ睦さん。実家の美郷町で『夢積工房』を開き、漆の箸やブローチなどの制作を行っている。「自宅での作業なので、できることに限界があったんです。だからやれることから徐々にやっていこうと思って、今は小物とか箸が多いです。 お椀をやる時は木地屋さんに頼まないといけないけど、ブローチとかなら自分でできるだろうってガリガリ削ってました。ゆくゆくはお椀とかもやりたいです」
木地以外の漆の工程は、一通りできるという煖エさん。中でも得意なのは、色漆と筆で描く漆絵だそうだ。 動物モチーフのポップな絵から、幾何学的な模様まで、様々な絵柄を手がける。「いくら『これは漆です』って言っても、素材のことはお客さんには分からない部分だから。じゃあどう特徴出すかっていうと、色とか絵柄かなと思ったんで」漆には他にも蒔絵や螺鈿などの加飾技法があるが、それはまだまだ修行中なんだとか。今後技術の幅が広がった煖エさんの作品に注目したい。

煖エさん

栗

使い手のアレンジ

6月末、 大曲の花火商品として、miNcaで発売された『漆花』。反響はどうだったのだろう。「花火を見に来た人が買っていくというよりは、出迎えた方が来た人にお土産として持たせるのに丁度いいからって、買っていく人が多かったです。面白かったのが、厄払いのプレゼントとして買っていく人がいたこと。そんな使い方にも!?と思いつつ(笑) 喜んでもらえたみたいでよかったです。」お客さんからは時々予想外の反応が返ってくるんだとか。
「ブローチだったのをペンダントにして『こんな風に使ってます』って見せてくれるお客さんもいます。中には箸置きに自分でピンをつけてブローチにしちゃってる人とかもいたんです(笑)『これブローチになるよね?』って」自分なりのアレンジを加えつつ、気に入って使ってもらえるというのは、作り手にとってはうれしいことだ。

仕事場

気軽に使えて、かつ品質は落とさず

煖エさんの漆を手に取ったお客さんはよく、『これ、漆なの?』と尋ねてくるらしい。「漆感全開のものって既にたくさんあるじゃないですか。そういうの見慣れ過ぎて離れていっちゃう人とかもいる。そういう人に『これ何だろう?』って興味を持ってもらって、漆に触れるきっかけになればいいと思って作ってます」決して敷居の高いものではなく、気軽に使えて、かつ品質は落とさないよう、煖エさんは細心の注意を払って作っている。 箸は塗る前に、一本ずつ強度チェック欠かさない。模様は一描きでも間違えたら、全部塗り直す。「いくら面白くても、買ってもらって使いものにならなかったら、漆のイメージダウンになってしまう。自分も『もっとこうしときゃ良かった』って後悔はしたくないですから」箸に模様を描いていく姿は、まさに真剣そのものだった。

小刀

煖エさんの暮らしごと 「小刀」

“道具を手入れするための道具”を手入れする
漆芸には筆とヘラが欠かせないが、それを手入れする道具も重要だ。煖エさんは、ヘラを作るときに使う小刀を見せてくれた。「漆をやる人は、刃物の扱いもできなきゃだめなんです。自分が使いやすいようにヘラを切り出したり、その刃物を研いだり。これは東京の『左久作』という刃物屋で買いました。研修時代から使ってます。」漆に限らず、丁寧な仕事をする人は、道具の扱いも丁寧なのだろう。

写真

「秋田の手しごと、暮らしごと」展

2012年の夏、あきた産業デザイン支援センターが主催し、秋田県内の作り手やお店を取材、それらを紹介する企画展「秋田の手しごと、暮らしごと-美しい日用の道具と作り手を訪ねて-」が開催され、丁寧な仕事から生まれる日用の道具が展示されました。

漆花 sicca

漆花 sicca

煖エさん

煖エ睦 Takahashi Mutsumi



夢積工房

blog http://urusi-asobi.jugem.jp

「美しい日用の道具と
    作り手を訪ねて」

 伝統的な技術を活かしつつ、現代生活に合わせ新しくデザインされたもの。職人の確かな腕が生み出す、スタンダードで長く使い続けられる道具。
 ふるさとの手しごとと真摯に向き合い、作り手を応援するお店。
「あきた産業デザイン支援センター」のスタッフが、県内各地を走り回り、手しごとに関わる人たちを取材してきました。秋田の様々な手しごとの“今”をご紹介します。

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